EDとは「まったく勃起しない」という重症だけを指すのではなく、「たまに勃起しない」「勃起はするが十分に硬くならない」「勃起状態が持続しない」「勃起して挿入はできても、持続せず途中で抜けてしまう」といった症状も含めてEDと定義されています。勃起はしてもSEXを最後まで行うことができない中折れ状態だとしても、EDとして取り扱われています。
2019に、日本国内の男性20歳~79歳を対象に総数2000人規模のED調査が行われましたが、全国推計すると、性交できる軽度EDは1411万人、ときどき性交ができない中等度EDは720万人、毎回、十分に勃起しない完全EDが680万人でした。中等度のEDと完全EDを合計すると、深刻なEDに悩む成人男性は、2000人中、1400万人もいることが判明しました。なんと70%がEDです!
さらに、20年前の調査結果では、軽度ED1380万人、中等ED870万人、完全ED260万人で、中等度以上のEDは1130万人でした。20年前と比較すると、この20年間で軽度EDと中等度EDが減って、完全EDが著しく増えていることがわかります。そして、びっくりするのは、年代別では、20~30代の若年層にEDが増えていることがわかりました。草食系男子が増えているというのも、男性ホルモンの減少と関係があったようです。現在のEDを年代別にまとめると、中等度EDで悩んでいる人は、20~30代で7人に1人、40代で6人に1人、50代で3人に1人、60~70代合わせると2人に1人という計算になります。
もうひとつの問題は、EDで病院に行く人がとても少ないという事実です。2000年に行ったEDに関するアンケート調査では、全国の30~79歳既婚男女3854人を対象が行われました。そのうち約3割の男性が「EDの自覚がある」と答えています。でも、実際に病院を訪れた人は90万人で、ED患者数のわずか4.8%という計算になります。これは、ED治療先進国のアメリカと比べて10分の1という低水準に値します。
一方で、ボディケアやリフレクソロジー等のリラクゼーション系マッサージ市場と比較してみると、こちらは堅調に推移しているのがわかります。2018年の国内リラクゼーション市場規模は前年比4.1%増の1196億円です。平均客単価を5000円で計算してみると、1年間でマッサージ店に通う人は延べ2392万人ということになります。同じ人が2か月に一度マッサージを受けていると計算してみても、約400万人の人がリラクゼーションマッサージに通っている計算です。ジャップカサイのビジネスとしての参入は、ED治療の潜在需要の掘り起こしにつながるのではないでしょうか?
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