ジャップカサイの流れ・施術方法を説明します。本来、体調不良の原因によって手順ややり方は異なるものですが、カウンセリングによってそれがすぐに導き出せない場合もありますので、一般的な流れを明記します。
【カウンセリング】
全身の冷えの状態を確認することが大切です。冷えが生じている部分をセラピストは理解して置く必要があります。クライアントから肩こりや腰痛などの主訴を聞いて、そこの部分の筋肉に触れて、状況をきちんと把握することが大切です。
【凝りほぐし】
まずは全身の凝りをほぐすことから始めます。クライアントが辛いと感じている部分をまずは軽減してあげないと、クライアント自身がリラックスして副交感神経が優位になる状況を作り出すことができません。 腰痛を緩和したり、背中のハリを緩和したりすることで、クライアント自身も血流が促されて、身体が温まっていくのを実感してもらえるはずです。
【エネルギーの調整】
タイ伝統医学でいうところのエネルギーライン「セン」に沿って刺激を加えていきます。あるいは、東洋医学の経絡を用いて行うことも有効です。エネルギーラインは、鼠径部だけでなく全身に流れていますので、全身の施術を行う中で、問題のあるエネルギーラインを見出していきます。強く痛みを感じる箇所や肌荒れ、筋肉のハリの状況などから判断することができます。
【腹部の施術】
腹部の施術によって、経絡ごとの問題がはっきりと浮き彫りになってきます。腹部にある水金地火木土の反射区を十分に刺激して、痛みが軽減したり、冷えて硬くなった状況が改善されたりするのをセラピストは必ず確認してください。
【鼠径部まわりの施術】
再度、鼠径部まわりの施術に戻ります。鼠径部付近の筋肉のハリの状況から、血流が滞ってしまっている状況を理解することができます。これは、睾丸、子宮、卵巣などの生殖器に血が循環していないことを意味し、自然治癒力が弱まっていることにもつながっています。
【局部の施術】
陰茎に触れることはしませんが、睾丸自体にテンションをかけることで、精管をストレッチし、エネルギーの流れを促進します。クライアントの反応を見ながら、徐々にテンションを高めて、刺激を強め、限界値を探ります。
【ストレッチ】
後に残る痛みを腹部への圧迫で軽減し、さらに全身へのストレッチを行いながら、気血水の流れを整えます。
本来、ジャップカサイは、基本的にはタイ古式マッサージを120分程度行った後に行うものですので、すでに全身の血流が上がって温まった状態であることが前提になります。特に脚部を施術することで全身の血流が良くなりますし、脚部にはお腹の内臓につながるエネルギーラインがありますので、念入りに行っておく必要があります。また、背中の背骨に沿ったエネルギーラインもまた重要です。東洋医学的には腎臓膀胱系の経絡に当たります。腰や背中、首にかけての筋肉のコリは十分にほぐしておく必要があります。さらに、腹部のマッサージも大変重要なポイントです。腹部は時間をかけて行うことで、かなりゆるゆるの状態になります。ここまでのウォーミングアップがジャップカサイを行うためにはキーポイントです。この状態を作ることができないと、ジャップカサイで睾丸マッサージを施しても結果が出ないばかりか、逆に腹痛や体調不良を招き、逆効果となりますので危険です。
クライアントが寒さを感じている状態、あるいは、精神的に緊張した状態の時には、陰嚢は固くぎゅっと詰まった状態になってしまいます。そういった場合には、暖かいタオルで陰嚢(いんのう)を数分間温めます。蒸して温めたハーブボールを使用すると、よりタイ伝統医学に則ったスタイルになります。温められた陰嚢は緩み柔らかくなります。
仰向けからスタートする場合が一般的です。睾丸を後ろ側から持ち上げて表面を軽くなでたり、陰嚢(いんのう)を引き伸ばしたりします。睾丸につながる精子の通る管(精管)にテンションをかけて引っ張ります。この時に、睾丸自体には圧をかけないように注意することが必要です。四つん這いの姿勢で後ろから行う場合もあります。
いずれの場合も、テンションをかける微妙な角度やテンションの引っ張り具合が難しいものです。数ミリの違いが大きく結果に影響を与えますから、熟練したテクニックが必要になります。初めて受けた人は「股間にサッカーボールが当たった時のような鈍痛」や「腹部に縦に2本ビリビリと電気が走った感じ」と言う人もいます。かなりの痛みを伴いますので、陰茎がたとえ勃起していたとしても、あっという間にダウンしてしまうことでしょう。
「じゃあ、自分でやればいいや!」と思う方は、ぜひやってみてください。本来は、自分の身体以外のエネルギーが交わることで調整されるものですので、効果は確実に半減しますが、何もしないよりは格段にいいと思います。その場合は、手を洗って清潔な手で行ってください。身体を事前に温めておく必要がありますから、お風呂に浸かって全身をぽかぽかにしてからやってください。いくらお風呂に入ってもお腹の深部が冷えていると感じたなら中止したほうが無難です。限界まで引っ張って数秒間止めてください。腹部に痛みが走るはずです。数秒間我慢して弛める。この作業を何度も行ってください。痛いですが止めちゃだめです。中途半端にやっても効果は期待できません。ギリギリまでやってください。全身の血行が悪かったり、背中のコリが酷かったり、腹部がカチカチだったら止めたほうがいいです。余計に悪化します。くれぐれも私どもは一切の責任を負いませんので自己責任でどうぞ。手が滑って睾丸を圧迫しないように注意してくださいね。まあ、万が一、片方がだめになっても大丈夫です。生物学的に言えば、もうひとつの睾丸は予備です。 自己責任でお願いします。
■youtubeでもジャップカサイに関する説明や実際のマッサージについてご覧いただくことができます。ご興味があれば、ぜひ【TTMA 長老チャンネル】をご覧ください。https://www.youtube.com/@TTMATTMA
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