ちまたにあふれる「リラクゼーション目的のボディケアマッサージ店」は、多くのチェーン店舗が名を連ねていますが、特に昨今ではいくつもの激安店が競争し、マッサージの料金は低下傾向にあるようです。そのどれもが、リラクゼーションを主たる目的にしたもので、体調を良くすることを目的としたものではないという前提で運営しています。しかし、実際のところは、コリを軽減させたり、身体を楽な状態に導くことを念頭に置いたトークを繰り広げ、ユーザーに対して「何度も通ってもらうことで体調を良くしていきましょう」というゴールを設定しています。具体的にやっていることは、「ユーザーが不調を訴えている箇所の筋肉の凝りほぐし」だけであるということです。もちろん、コリをほぐすことは血流を上げることとイコールですから、身体にはプラスに作用します。ただ、ここで、理解しておかなければならないのは、体調を良くすることを目的とするならば、コリをほぐすだけでは不十分だということです。
ここで、筋肉のコリを軽減させるためのメカニズムについて復習しておこうと思います。筋肉への圧迫は、筋肉中に張り巡らされている毛細血管を圧迫するということです。毛細血管は圧迫を受けることで、血管中の血液は押し出されて、血管の中は一度真空状態になります。今度は圧迫を緩めることで血液が流入します。この作業は血液循環を上げることになります。血液は、筋肉細胞に酸素や栄養を供給しますから、筋肉細胞は元気を取り戻してくれます。こうすることで実際には、自然治癒的にコリが緩んでくるというメカニズムです。
マッサージトリートメントで、体調を整えるためには、時間がかかります。30分程度の時間の枠ではコリをほぐすだけで精一杯です。最低でも3時間くらいの時間は必要になります。コリを軽減させて血液を循環させて、身体を温めて血液や水分の流れを循環させて、副交感神経にスイッチを入れて、気の流れを調整して、ホルモンの分泌を促していくという一連のプロセスが大切です。半日から一日程度のゆっくり時間をかけてデイスパリトリートは、凝った箇所をもみもみするだけのボディケアとは全く違ったアプローチになります。
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